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よく耳にする「判例」とは

日本には、法律のほかにも世の中に影響を与えるものがあります。それが判例です。この判例とは、裁判所が出した裁判の先例、さらに詳しく言えば判決の主文と理由のことで、ひとつの判例が出ると、他の類似した全ての裁判に影響を与えます。

 特に、日本で最上級の裁判所である最高裁判所の判例は、最高裁を含む全ての裁判の判決に影響を与えます。なぜなら高等裁判所以下、下級裁判所が最高裁判例に拘束されるからです。要するに、下級の裁判所が上級の裁判所を判例で拘束する事は出来なくても、その逆は可能なので、最高裁の判例には他の下級裁判所の判例にはない重みがあります。世間一般で判例と言うと、最高裁の判例であることが多いです。

 そんな判例が、世の中を大きく変えた例の一つ、それが過払い金返還訴訟です。その判例が出る前の日本には、出資法と利息制限法という2つの法律があり、このうち、出資法違反には罰則がありましたが、利息制限法違反には罰則がありませんでした。なので、出資法は守るけど利息制限法は守らないという業者が世の中にたくさんいたのですが、この行為がグレーなのか、それとも完全に違法なのか、その見解は諸説あり確定していませんでした。しかし最高裁が、利息制限法を無視したグレーゾーン金利は違法であり完全に黒である、なので、債権者は債務者に過払金を返さなければならないという判決を下したことで、グレーゾーン金利は違法であるとの見解が確定します。その結果国が法律を改正し、グレーゾーン金利は廃止されることになったのです。

 そしてその後に過払金返還訴訟が相次いだことは記憶に新しいですが、そのきっかけを作ったのは、国の指導でも法律改正でもなく、最高裁が下した判例だったのです。こうして、最高裁判例というお墨付きが出来たことで、グレーゾーン金利という、不当に高い金利を搾取されていた人たちも、堂々と、それはおかしいから払いすぎたお金を返してくれと言える様になりました。この過払金返還訴訟は、すでに最高裁判決という判例が出ている訴訟なので、よほどのことがない限り、まず負けることはありません。

 とはいえ、それは司法書士などのプロが裁判を担当した場合に限ります。法の素人がそれをやると、業者側に些細なミスをつつかれたりして、お金を返してもらえずに裁判が終わってしまうことがあります。なので、過払金返還訴訟を考えている人は、自分ひとりで訴訟を起こそうとせずに、まず司法書士に相談下さい。

 

 

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