無許可のサービサーによる債権回収は犯罪です

 債権回収会社をご存知ですか。債権回収会社はサービサーとも呼ばれております。原則として債権管理回収は弁護士や認定を受けた司法書士のみが行なうことができる法律業務ですが、債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)により法務大臣の許可を受けた会社であれば債権管理回収の業を行なうことが認められています。

 ところが、法務大臣の許可を受けていない業者が、過払金が生じている債権や時効が成立している債権、いわゆる不良債権の処理に困っている貸金業者から二束三文の安い値段で買い取り、過払金返還をなすべき状態であることや時効が成立していることを認識していながら債務者に伝えず、まだ債権が残っているものとして債務者から回収するといった事例が少なからず存在します。

 このような無許可の債権管理回収業者に対し、平成2426日に最高裁判所において「法務大臣の許可を受けないで消費者金融会社から通常の状態では満足を得ることが困難な貸付債権を譲り受け、同債権に関し取立ての請求をし、弁済を受けるなどして管理回収業を営んだ行為は、債権管理回収業に関する特別措置法331号、3号に該当する違反行為として有罪である」との判決が下され刑事罰が科せられました(最高裁第三小法廷平成2426日決定)。

 この判決により無許可の債権管理回収業者に対する取り締まりは厳しくなり、実際に逮捕された事例もあります。しかしながら、弁護士のもとには「既に終わったと思っていた借金について、債権譲渡されたから今後の返済について相談するために連絡が欲しい、といった連絡がきた。借金が残っているのであれば返済しないといけないが連絡すべきなのか。」といった無許可の債権管理回収業者によるものであろうと思われる相談がくることがあります。このような相談内容の場合、債権回収会社と名乗って架空請求をしてくるといったケースが多いのですが、中には架空請求ではなく身に覚えのある借入についての情報が提示されることがあります。こういった場合には、前記のように既に債権として存在していない借入にもかかわらず、あたかも債権が存在しているように取立てを行なって回収しようとする無許可業者の可能性が考えられます。しかしながら、最高裁判決のとおり無許可の債権管理回収業者が債権回収業務を行なうことは犯罪です。

 もし同じようなケースでお困りになったら弁護士などの専門家にご相談ください。

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