取引履歴の一部しか出さない業者がいる?
ローンの取引履歴は大切な情報であり、自分の借金の残額を確認するためにも重要なポイントになります。金融機関には取引の履歴を保存する義務が存在するため、開示請求をすることで過去の支払い履歴などを見ることができるようになっています。
しかし、社内規定などで一部の取引情報しか開示されないケースも存在するのです。最も問題になるのが、過払い金返還請求を行う時です。過払金は支払いが終わった過去の分まで遡って請求ができるため、長くローンを支払っていた場合は該当する確率が高まります。しかし、開示請求を行っても一部しか開示されないと、本当に過払い金が発生しているのか、また、総額がどれくらいになるのか把握できなくなってしまいます。
悪質な業者であれば、過去の履歴は廃棄したと言う場合もありますが、多くの場合は虚偽になります。開示請求するということは過払請求すると認識されるケースが多く、業者としてはなるべく表に出したくない情報です。開示をすればそれだけ過払い金の返還額が膨れ上がることが考えられるからです。過払い金請求には消滅時効があるため、消費者をためらわせて消滅時効を期待する業者もあるのです。3年程度の短い履歴しか開示されない場合は特に注意が必要です。
しかし、実際には取引履歴の保存は金融機関に義務付けられているので、過払金返還をする際は弁護士などの専門家に相談した方が良く、手続きもスムーズです。もし支払いの開示請求を行って一部しか開示されない状態であれば行政指導を申し出ることになります。それでも応じない場合は訴訟になる可能性がありますが、多くの業者は訴訟の費用負担を避けるため、行政指導などの時点で開示を行うのです。正確な金額がわかればそれだけ手続きもしやすくなります。専門家の手助けが無ければすべて自分で行う必要があるため、書類の手続きが膨大になってしまう事や、責任関係の追求が難しくなるという現実もあります。法律の知識がある弁護士等に依頼を行った方が、お金が返ってくる確率も高くなるのです。
過払金返還は消費者側に権利があっても、手続きの複雑さや法律の知識がハードルになる事が多くなります。最初から弁護士に頼んだ方がスピーディーに話が進むことが多いのです。